【台風シーズン前に】水槽の停電対策|応急処置・復旧手順・備えるもの

シュリンプ

こんにちは!ピロです

9月から10月は台風のシーズンです。アクアリウムをやっていて、いちばん怖いのが停電ではないでしょうか。

停電するとフィルターもヒーターもエアレーションも同時に止まります。しかも困ったことに、多くの人が「復旧してから」被害を出しています。慌てて元に戻した結果、かえって水槽を壊してしまうパターンです。

この記事では、停電が起きたときの応急処置、復旧するときの判断基準、台風が来る前に備えておくものを整理しました。メダカでもエビでも共通して使える内容です。

停電で何が起きるのか

まず、何が止まって何が問題になるのかを押さえておきます。

止まるもの起きること危険度
エアレーション溶存酸素が減っていく最も高い
フィルター水が回らず、ろ材が酸欠に高い
ヒーター水温が下がる季節による
照明ほぼ影響なし低い

優先順位ははっきりしています。酸欠がいちばん早く効いてきて、いちばん取り返しがつきません。水温低下は数時間なら耐えられますが、酸素は数時間で危険域に入ることがあります。

特に注意が必要なのが夏場と過密水槽です。水温が高いほど水に溶ける酸素量は減るので、残暑の停電は条件が最悪になります。

停電したらすぐやること(優先度順)

順番が大事です。上から順に対応してください。

順位やること理由
1電池式エアポンプで酸素を送る酸欠がいちばん早い。これが最優先
2餌を止める食べ残しが酸素をさらに消費する
3照明を消す・自然光も遮る水温上昇と生体の活動を抑える
4水温対策(季節に応じて)夏は保冷剤、秋冬は毛布で保温
5生体の様子を観察する水面で口をパクパクしていたら酸欠のサイン

エアポンプがない場合の応急処置

手持ちがないときは、これで時間を稼げます。

コップで水をすくって、高い位置から落とす。水が空気に触れて酸素が溶け込みます。原始的ですが有効です。30分に1回、20〜30杯ほど繰り返してください。

ペットボトルに飼育水を半分入れて振り、水槽に戻す方法も同じ理屈で使えます。ただし急激にやると水流で生体が疲れるので、ゆっくりと。

やってはいけないのが、市販の酸素供給剤を規定量以上に入れることです。pHが動くタイプがあり、水質変化のほうが害になることがあります。

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復旧したときが本当の勝負

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。停電そのものより、復旧後の対応で失敗するケースが多いからです。

フィルターは何時間まで大丈夫か

ろ材の中のバクテリアは酸素を必要とします。水が回らないと酸素が尽き、やがて死滅が始まります。

目安は24時間です。24時間以内であれば、バクテリアへの影響は限定的とされています。そのまま再稼働して問題ありません。

停止時間復旧時の対応
〜24時間そのまま再稼働してよい
24時間超ろ材の臭いを確認してから判断
数日ろ材を飼育水ですすいでから戻す

ただし時間より確実な判断材料があります。それが臭いです。

ろ材から硫黄のような、あるいはドブのような臭いがしたら、内部で嫌気化が進んでいます。この状態でフィルターを回すと、蓄積した有害物質が一気に水槽へ流れ込みます。停電後の崩壊はほぼこのパターンです。

臭いがした場合は、ろ材を取り出して飼育水で軽くすすいでから戻してください。水道水で洗うのは厳禁です。生き残っているバクテリアまで塩素で殺してしまいます。

フィルターの種類で対応が変わる

ここは誤解されやすいところです。よく言われる「フィルターの蓋を開けて空気に触れさせる」という対処は、密閉式の外部フィルター(キャニスター式)に限った話です。エアポンプで動かすスポンジフィルターや投げ込み式には蓋という概念がなく、ろ材はそもそも水槽の中にあります。

フィルターの種類停電中に起きることやること
スポンジフィルターろ材は水槽内。乾く心配はない乾電池式エアーポンプにつなぐ
投げ込み式(水作エイト等)同上乾電池式エアーポンプにつなぐ
底面フィルター(エアリフト式)同上乾電池式エアーポンプにつなぐ
外掛けフィルター水が落ちてろ材が空気にさらされるろ材を取り出して水槽に沈める
上部フィルター同じくろ材が露出して乾くろ材を取り出して水槽に沈める
外部フィルター(密閉式)内部が密閉され、最も早く嫌気化する半日以上なら蓋を開ける(水は抜かない)

ここがいちばん大事な点です。スポンジフィルター・投げ込み式・エアリフト式の底面フィルターは、乾電池式エアーポンプにつなぎ替えるだけで停電中もそのまま動きます。エアレーションとろ過が同時に復活するということです。

この記事で乾電池式エアーポンプを最優先に挙げているのは、この二役をこなせるからです。エビやメダカの水槽でスポンジフィルターがすすめられる理由としては稚エビの吸い込み防止がよく語られますが、停電にいちばん強いという利点も見逃せません。

外掛けフィルターと上部フィルターは、逆に注意が必要です。停電するとポンプ内の水が落ち、ろ材が空気にさらされます。数時間なら湿っていますが、長引くと乾きます。乾いたバクテリアは戻りません。長引きそうなら、ろ材を取り出して水槽の中に沈めておいてください。

この2種類はもうひとつ、復旧時に呼び水が切れてポンプが回らないことがあります。電源が戻ったら、水が上がってきているか必ず目で確認してください。空回りのまま放置すると、ポンプが焼き付きます。

密閉式の外部フィルターだけは、蓋を開ける対処が有効です。内部の水が完全に閉じ込められるため、水槽本体より先に酸素が尽きるからです。半日以上続きそうなら蓋を開けて、ろ材を空気に触れさせてください。ただし水は抜かないこと。ろ材が乾けばバクテリアは確実に死にます。

なお短時間の停電なら、どのタイプも触らずそのまま待つほうが無難です。

復旧後にやること

電源が戻ったら、次の順で確認します。

タイミングやること
直後フィルターが正常に回っているか確認
直後ヒーターの動作確認(つけっぱなしだと過熱の恐れ)
当日1/3程度の水換え
翌日から3日間アンモニアと亜硝酸を測る
1週間餌を控えめにして様子を見る

バクテリアがダメージを受けていると、立ち上げ初期のようにアンモニアや亜硝酸が検出されることがあります。数日は測っておくと安心です。

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台風が来る前に備えるもの

停電してから買いに行くのでは間に合いません。台風シーズンの前に揃えておきたいものを、優先度順に並べます。

優先ものねらい目安
必須乾電池式エアーポンプ酸欠を防ぐ数千円。連続20時間前後
必須予備の乾電池ポンプが動かないと意味がない単1〜単2を数本
推奨水質試験紙復旧後の状態確認1本あれば十分
推奨保冷剤・毛布水温の維持家にあるもので可
余裕があればポータブル電源フィルターやヒーターごと動かす数万円

最低限、乾電池式エアーポンプと電池だけは用意しておいてください。数千円で、停電時の生存率がまったく変わります。

電池はポンプ本体と一緒に保管するのがコツです。いざというとき「電池がどこかにある」では間に合いません。

ポータブル電源という選択肢

予算に余裕があるなら、ポータブル電源が最も確実です。フィルターもヒーターもそのまま動かせます。

容量の目安として、外部フィルター1台なら消費電力は10ワット前後です。500Wh級のポータブル電源があれば、単純計算で丸一日以上まかなえます。ヒーターまで動かすなら、消費電力が一桁変わるので容量に注意してください。

アクアリウム専用に買うには高価ですが、家庭の防災用と兼ねられるのが利点です。

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屋外ビオトープの台風対策

屋外で飼っている場合は、停電より物理的な被害のほうが問題になります。

大雨による溢水

台風の大雨で容器から水が溢れ、メダカごと流されるのがいちばん多い事故です。

対策はシンプルで、容器の縁より少し下に排水用の切り欠きを作るか、あらかじめ水位を下げておくこと。鉢底ネットを輪ゴムで留めておけば、溢れても生体は残ります。

もうひとつ見落とされがちなのが雨水そのものの影響です。大量の雨が入るとpHが酸性側に振れ、水温も急に下がります。小さな容器ほど影響が大きいので、可能なら軒下へ移動させてください。

飛散と転倒

発泡スチロール容器は軽いので飛びます。中身が入っていても、風速によっては動きます。

ブロックで囲う、板を渡して重しを乗せる、可能なら地面に下ろすなどで対処してください。エアチューブやコードが引っ張られて機器が落下することもあるので、配線の固定も確認しておきます。

屋外飼育の詳しい環境づくりは屋外飼育のエアレーション記事もあわせてどうぞ。

生き物別に気をつけたいこと

メダカの場合

メダカは比較的タフです。低水温にも強く、数時間の停電なら大きな問題にはなりません。

注意すべきは過密飼育と針子。数が多いほど酸素の消費が早く、針子は水質変化に弱いので優先的に守ってください。

レッドビーシュリンプの場合

エビはメダカよりずっとシビアです。もともと酸素要求量が高く、水質変化にも弱い生き物です。

特に抱卵中のメスは脱卵しやすいので、停電後は落ち着くまでそっとしておいてください。復旧後すぐの大量水換えは避け、1/5程度にとどめるほうが安全です。

日頃の水質管理は水換え術の記事、季節ごとの管理は秋の管理術で解説しています。

ヒメタニシなど貝の場合

貝は停電そのものには強いのですが、別のリスクがあります。死んだときの水質悪化が激烈なことです。

復旧後は貝の生死を必ず確認してください。判断は臭いで、腐敗臭がしたらすぐ取り出します。詳しくはヒメタニシの飼い方ガイドをどうぞ。

やってはいけないこと

復旧後にいきなり大量の水換えをする:水質を戻したい気持ちはわかりますが、生体は既に弱っています。1/3程度にとどめてください。

臭うろ材をそのまま回す:停電後の崩壊で最も多い原因です。臭いを確認する数秒を惜しまないでください。

ろ材を水道水で洗う:塩素で生き残ったバクテリアまで死にます。必ず飼育水で。

復旧直後にたくさん餌を与える:「お腹が空いているだろう」と与えたくなりますが、ろ過が本調子でない状態では水を汚すだけです。1週間は控えめに。

停電中に何度も水槽の蓋を開けて確認する:気持ちはわかりますが、水温変化を招きます。観察は静かに、外から。

まとめ:数千円で守れます

停電対策のポイントをまとめます。

酸欠が最優先。フィルターより先にエアレーションを確保する。

フィルターは24時間が目安。ただし時間より臭いで判断する。

エア駆動式なら電池式エアポンプでろ過ごと動く。スポンジ・投げ込み・底面は蓋を開ける必要がない。

復旧後こそ慎重に。臭うろ材を回さない、大量水換えをしない。

備えは乾電池式エアーポンプと電池。これだけは台風の前に用意しておく。

屋外は溢水と飛散。水位を下げ、容器を固定する。

停電は防げませんが、被害はほぼ防げます。数千円の備えと、復旧時のひと呼吸だけです。台風のニュースを見たら、エアーポンプの電池だけ確認しておいてください。

それでは、素敵なアクアリウムライフを!

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